歌謡曲が好き!

細川俊之にあこがれた話

2014/10/02
社会人になると忙しく、ラジオを聞く時間は減っていく。趣味も興味もなにもなく、ただ黙々と仕事をこなす。

いや、ラジオを聞く時間自体は減ってはいなかった。職場には四六時中FM東京(もう当時は東京FMといってたかもしれない)が流れていた。

90年代初頭の首都圏は第二FMと言われたj-waveが開局して既に市民権を得ていた。そしてFM横浜に埼玉にはnack5、千葉にはbay-fmそして山梨のFM富士と続々と開局していて過当競争状態になっていた。各局がオリジナルの番組をメインにする中、やっぱり古参のFM東京はNHKほどでは無いにせよ落ち着いていて好みだった。

お昼休みが終わって、昼寝をしていた社員も起き出すどこかどんよりとした空気の中時報とともに始まるのが「ワールドオブエレガンス」



「グランドファッションのワールドがお送りする、ワールド・オブ・エレガンス」
気怠い午後を象徴するようなジャン・ミッシェル・カラディックが流れてくる。


都会の海は、すがる岩も一切れの板も無いと貴方は言いました。
どうぞ気づいて下さい、この海の何処かに僕がいることを・・・細川俊之です



この番組の台詞は毎日変わっていた。ワタシはよく毎日こんなキザな台詞を思いつくものだと感心しきりだった。

「ワールドオブエレガンス」という番組は1976年に始まったというから、こちらも長寿番組。それでも番組のコンセプトやテーマソングのアレンジが時々変わっていて、ワタシが職場で聞いていた頃は服部克久編曲のインストで、その後ジャン・ミッシェル・カラディックの『愛の世界』(ラブ・ワールド)で、こちらもまた味のある曲だったと思う。

番組の終了は1993年3月。昼間とあって子供の頃は聞いていなかったから、こんな番組があったと知っていればもっと早くに聞いていたのにと悔やんだ。

ただ、1993年の時点で、既にこの番組は場違いな感じがしていたんだ。他局のFMのようにトークをメインにして、AM局のように曲をかけ、挙げ句にマンスリーで特定の1曲をかけまくる、多い日なら1日に5,6回聞く。どんなにいい曲でもそう何度も聞かされるのはかなわない。当時のFM東京はそんなステーションカラーになっていたんだ。

そんな中、この番組だけは昔ながらにイージーリスニングをかけ続けた。まだ「ハイソ」なんて言葉は無かったかもしれないけれど、おしゃれな山の手の専業主婦が聞いているようなイメージ。

しかし、もう、FM東京というステーションイメージがこの番組の存在を許さなかったんだろうと思う。時はバブル崩壊後。スポンサーのワールドも1社提供の番組を続けるのは潮時と思ったに違いない。聴取率調査の結果がj-waveに抜かれたのがこの頃だったと思う。




今まで言わなかったことを今日言います、世界でキミが一番好きです。優しい時間(とき)をありがとう、君は僕の午後の恋人。

ワールドオブエレガンス、出演細川俊之、構成中山茎子。グランドファッションのワールドがお送りしました



あの日、年度末の忙しい中でワールドオブエレガンスの最終回を聞いた。細川俊之さんのキザな台詞が、さらに磨きのかかったキザな台詞だった。


この番組が終わってから、社のラジオはいつの間にかj-waveになっていた。同じ曲ばかりかかると上司が切れたらしい。j-waveはマシというレベルではあったけど、少なくとも「歌謡曲」はかからないだけに、職場のBGMとしてはいいと思ったらしい。

今、定期的に聞くラジオ番組はなかなか存在できなくなっている。テレビもそうだけど、スポンサーが1つの番組を通じて企業イメージを高めようという時代は終わったのだろう。スポンサーが定着しなければただ単にCMの浸透のための視聴率なり聴取率に左右されることになる。単に大声で騒ぐだけだったり大衆迎合していればいいという単純な番組が増えた理由はこういうところにもあるのだろう。


細川俊之さんのキザな台詞にあこがれた。こんな台詞の言える大人になりたかった。今日ここでこれを書くつもりで、先日職場の女子社員に試してみた




君を知ってから自分をコントロールできなくなった、君の前では恋のさじ加減も役に立たない



(これは最終回のオープニングの台詞)
結果は、牛さん・・・キモイ♪冗談の通じ合える彼女の若干引き気味の笑顔がかわいかった。

Monde d amour
Jean-Michel Caradec
2018/9/10


カテゴリ: 歌謡曲が好き ラジオが好き



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