歌謡曲が好き!

城達也になれなかった話②

2014/10/01
当時FM東京の時報に付いていたスポンサーは何だっただろうか。
「ステレオト・リ・オ」と答える方はかなりの古参であろう。ワタシの頃はコニカや山崎パンだったような。

まぁ、ともかく色がついているような民放FM曲の時報の後に流れてくるのは、ジェット機の離陸音。そして管制塔との無線交信。どこか遠くから聞こえるような「ジェットストリーム」という番組タイトル。なぜか懐かしく感じる「ミスターロンリー」

ジェットストリームのテーマ ミスターロンリー
フレデリックダールオーケストラ
1985/2/3


見慣れた和室の天井がまるでB747の機内のように感じる。当時飛行機に乗ったことは無かったけどね。



遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、
はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。
満天の星をいただく、はてしない光の海を ゆたかに流れゆく風に心を開けば、
きらめく星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。
日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお供をいたしますパイロットは私、城達也です



それは一日の終わりを告げるクロスオーバーイレブンから、明日への活力のための「安息」のための時間に切り替わる瞬間なのかもしれません。きっと夜間飛行は日の出とともにどこかの空港に着陸して、それぞれの一日がまた始まるのでしょう。

その番組スタートは1967年とFM東京の開局前。まだ東海大学の実験放送局だった頃までさかのぼるのだそうです。そこから1995年の降板まで城達也さんは7000回以上もこの番組をやっていたことになりますね。

ワタシは85年になって聞き始めたこともありますが、もう海外旅行はそう特別なものでは無かった時代ではあります。しかし北海道の片田舎に住むワタシは飛行機へのあこがれを隠すことはありませんでした。この番組の虜になったのは言うまでもありません。

そして、ワタシがこの番組を聴き始めてまだ浅い1985年8月12日。そう、あの日航機墜落事故が起こるわけです。

この日、ワタシは親の実家にいたため、ラジオは持ってきていませんでした。なので、その日のジェットストリームがどのように放送されたのか知る由もありません。

このときからしばらく日本航空はジェットストリームのスポンサーを下り、なにかが違うジェットストリームだったと記憶しています。今までと同じ番組が流れ、城達也氏がパック旅行を紹介し、「JALパックリンリンダイヤル東京03~」というのを聞いて、ああ、いつもの番組が戻ってきたのだと涙したのをよく覚えています。

もちろん、事故の犠牲者を思うと、複雑な心境ではあるのですが、その後も阪神大震災や東日本大震災もそうなのですが、特別番組だらけだったのが通常放送に戻ったとき、なぜか安堵の涙を浮かべるようになったのはこのときの経験が大きいのでしょう。

ワタシが飛行機にはじめて乗るのはこれから5年近く経った後。ローカル空港からのJAS便、A300というそれほど小さくはない飛行機だったのですが、羽田空港に並ぶジャンボ機から見るととても小さく感じたものです。そのJASも今やJALに経営統合されているのですから時代は変わったものですね。

それからも、出張で、帰省で、JAL便はよく利用しました。まだ機内音楽としてジェットストリームが聞けまして、FMとはまた違った雰囲気のジェットストリームを楽しみにしていました。

仕事にもずいぶん慣れた1994年の年末。ジェットストリームから城達也氏降板。この頃は非常に忙しく、もうワタシには深夜にラジオを聞く余裕がなく、最終回も聞けずじまいになってしまったのは、非常に残念なことでした。

小野田英一さんに変わったジェットストリームは「ラウンジ」になり、森田真奈美さんに変わるとフライトアテンダントとゲストのトークに、そして伊武雅刀さんは往年の城達也ジェットストリームを踏襲と変化して、今でも大沢たかおさんにより放送され続けています。

日本航空の経営危機でスポンサーが変わるなど紆余曲折あったジェットストリームが続いていることが、城達也さんへの最大の供養なのかなと思います。そしてたまに彼の声を思い出し、若かった自分を思い出すのです。



夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは
遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと区別がつかなくなります
お送りしております、この音楽が
美しく、あなたの夢に、溶け込んでいきますように
日本航空がお送りした音楽の定期便、ジェットストリーム
夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは私、城達也でした
また明日、午前0時にお会いしましょう



「夢幻飛行」という当時のエンディング曲は今は使われていませんが、この曲を聴くと、なぜか今でも何か胸の中がざわめくような、そんな気がするのです。

ジェットストリームのエンディング テーマ 夢幻飛行
ジェットストリームオーケストラ
1985/2/3

カテゴリ: 歌謡曲が好き ラジオが好き



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