2024/03/14 歌謡曲が好き もくたま特集 安田成美 80年代歌謡曲 楽曲紹介

安田成美さんのシングル楽曲を聴いてみる


目次
  1. 1984年01月25日 風の谷のナウシカ
  2. 1984年04月25日 トロピカル・ミステリー
  3. 1984年07月25日 透明なオレンジ
  4. 1984年10月25日 銀色のハーモニカ
  5. 1985年04月25日 サマー・プリンセス
  6. 1988年09月25日 思い出のロックンロール
  7. 配信

今週のもくたま特集は安田成美さんの楽曲を聴いていきましょう。
安田成美さんと音楽といいますと、どうしてもデビューシングル「風の谷のナウシカ」の話が出てきます。映画本編では使われなかったとされていますが、40年の時を超えて「エンディングで流れていた」というSNS発言があったりもします。あくまで私個人はテレビ視聴しかしていないので「流れていなかった」なのですけどね。
あと、やはり歌がひどかったというのも言われています。当時16歳だった安田成美さんそして映画の公開に合わせることもあって、この映画用としての主題歌歌手として起用されることが約束された「ナウシカガール」としての募集は1983年の夏という時期でした。決定されてから公開となる1984年3月11日まではわずかな期間しかありません。その中で若干の芸能活動はあったようですが、歌手としては素人であった少女に多くを期待することの方が誤りというものでしょう。

その映画公開から40年が経って、安田成美さんは新たにレコーディングした2024 ver.を公開、お子様も全員が成人されたということで徐々に芸能活動もされていくのではないでしょうか。

それではそのデビュー曲から聞いていきましょう。

風の谷のナウシカ
安田成美
1991/12/21 257124393

1984年01月25日 風の谷のナウシカ

本人最大のヒット曲ですし、安田成美さんの楽曲といえばまず思い出します。素直というか、ぶっきらぼうというか、初見で歌ったカラオケのような感じがありますが、それでもサビの部分の歌声はどこか癖になります。
その楽曲がもしかすると映画とのイメージに合わなかったのかもしれないけれど、そのイメージとしての楽曲としては非常にキャッチーで、印象深くなっています。40年も前の楽曲とは思えないような、ちょっと懐かしい感じはするけど、でも、今聴いてもいいなぁって思える楽曲ですね。

Track:1 風の谷のナウシカ
作詞:松本隆
作曲:細野晴臣
編曲:萩田光雄


B面はあまりラジオでも流れなかったと思うんですが、今聞くといいじゃないですか。同じように初見カラオケ的な感じで、包まれるような本当に妖精感があるかと言われたらないんだけど、でも、この曲がふと流れてきて、サビ聴いたらいいなぁって思うんじゃないかなぁ。

さて、例によってジャケット裏にはプロフィールが書かれています。趣味はスポーツ、あみものだそうです。体重まで書いてあるのか。大変だなぁこの時代の芸能人は。

Track:2 風の妖精
作詞:松本隆
作曲:細野晴臣
編曲:白井良明

風の妖精
安田成美
1991/12/21 257124393


トロピカル・ミステリー
安田成美
1991/12/21 257124393

1984年04月25日 トロピカル・ミステリー

映画「トロピカルミステリー 青春共和国」のテーマソングです。安田成美さんの初主演作品であります。武田久美子さんや竹本孝之さんも出演されています。作品としては赤川次郎さん原作で、当時はファンタジーとして捉えられていたと思いますが、今見るとちょっとリアルな感じがするかもしれません。そのくらい「不思議なことが起こる」世の中でもありますね。

楽曲は遠くに来たなと思わせる最初から、ちょっと高音が厳しい歌唱も含めてスレていないなぁって感じがいい。映画の主題歌ですから、そのエンディングなりでかかりそうなアレンジになっていますし、ミステリーですね。個人的には間奏が気に入っていますし、もう少し売れても良かったんじゃないかなぁ。オリコン100位に入っていないんです。

Track:1 トロピカル・ミステリー
作詞:松本隆
作曲:大村雅朗
編曲:萩田光雄


B面は同じ作家陣ではありますが、ガラッと印象が変わります。テクノ歌謡的ですし、入り難しい感じできっとカラオケでは歌えません。でもサビは印象的ですし今どこかのアイドルがカバーしても面白いんじゃないかしら?自転車でお空飛ぶのはあの映画の影響?

Track:2 月のミューズ
作詞:松本隆
作曲:大村雅朗
編曲:萩田光雄

月のミューズ
安田成美
1991/12/21 257124393


透明なオレンジ
安田成美
2013/5/8 653395586

1984年07月25日 透明なオレンジ

この曲には重要なタイアップがついています。「オレンジライン」は電電公社(現在のNTTグループ)のお客様相談窓口の総称。当時電話局営業窓口(電話局ももう死語だろうか)の相談窓口をオレンジカウンター、そして電話での受付窓口をオレンジナンバーとしていました。
3公社5現業なんて言葉ももう昔ですが、当時半公営としての公社職員の対応は正直酷いものでありまして、将来的な参入自由化や民営化前にサービスアップを図る必要がありました。オレンジラインは本社直轄事業でしたので、上司への報告途中で握りつぶされず1ヶ月以内には何らかの返答をするなど現在のCS的な要素がありました。1984年12月に日本電信電話公社民営化法が成立し、1985年4月に電電公社は民営化されます。

その「オレンジライン」をPRするCMに本人も起用されており、レコードジャケットは2つ折りで本人直筆のメッセージも印刷されています。正直言えば「クレーム処理ダイヤル」のPRを大きな金額をかけなければならない。そういう時代背景があるということでもあります。

で、楽曲、いいんですよ。ぶっきらぼうなかんじの歌はあまり変わっていませんが、カワイイし、絶対今再発見されるタイプの楽曲ですよ。どこか電話のトーンダイヤル的な音階が入っているのもタイアップありきの楽曲らしいですかね。南佳孝さんとは思いませんでした。
ちなみに2019年に中島愛さんがカバーされていて、こちらはこちらでいい!

Track:1 透明なオレンジ~愛のオレンジラインより~
作詞:松本隆
作曲:南佳孝
編曲:船山基紀


B面は印象が違う楽曲ですが、居眠り消防士に子供たちが花火鳴らして走るって歌詞は松本隆さん、不思議な歌詞だなぁって思います。全体的にふわふわしてて、朝靄の中で聞いたらいい感じかもしれません。

Track:2 夢の散歩
作詞:松本隆
作曲:南佳孝
編曲:船山基紀

夢の散歩
安田成美
2013/5/8 653395586


銀色のハーモニカ
安田成美
2013/5/8 653395586

1984年10月25日 銀色のハーモニカ

がらっと印象が違う楽曲です。安田成美さんはアルバムとしては2枚出されているんですが、この辺りの楽曲が入っていないので、なかなか今聞くのは困難です。サビの部分の音の取り方がすごく難しそうなんですが、意地悪ではないんでしょう。それが印象的な楽曲でもあります。「ためいきのタンバリン」と「銀色のハーモニカ」これが対なんだろうけど不思議な感じの楽曲で、どこかに忍ばしておきたい。

Track:1 銀色のハーモニカ
作詞:松本隆
作曲:細野晴臣
編曲:細野晴臣・萩田光雄


B面、そうか、作家陣は松田聖子さん的なわけです。作家で聞くわけじゃないけど、いいなぁって思いました。もちろん安田成美さんはすごく上手ではないけど、上手く歌ってやろうなんて微塵にも感じない、どこか儚げで、消えてしまいそうなそんな感じ。最後までちゃんと聞いてくださいね。間奏もいい感じで、今回の楽曲では一番気に入った曲。

Track:2 悪戯な小鳥
作詞:松本隆
作曲:大村雅朗
編曲:萩田光雄

悪戯な小鳥
安田成美
2013/5/8 653395586


サマー・プリンセス
安田成美
2013/5/8 653395586

1985年04月25日 サマー・プリンセス

ご本人の今の所最後のシングル楽曲です。あれ?随分印象違います。ボーカル今までの楽曲と違いますよ。かなり頑張ったんじゃないかなぁ。林哲司さんらしい夏っぽいサビもいい!すでにジャケット裏には写真集の案内があったり、もうあまりボーカルとしてはやっていかないつもりだったんじゃないかなぁとか思わないでもありません。この時期にもう1枚くらいアルバム出しそうなものなんですけどね。

Track:1 サマー・プリンセス
作詞:松本隆
作曲:林哲司
編曲:大村雅朗


アルバムからのカットなのですが、5枚目のシングル作るにあたって、A面を録音しておしまいになったのかなぁ。とかく鈴木慶一さんですよ。そして幸弘さんですよ。ドラムも叩いておられるのかしら?そしてボーカルは当然にこなれていたA面とは違ってまだあどけないので、その対比が際立ちます。タイアップでもあったのかしら?と思いましたが、特にジャケットにも記載はないし検索しても出てきません。

Track:2 Sueはおちゃめなパン屋さん
作詞:鈴木博文
作曲:鈴木慶一
編曲:高橋ユキヒロ

Sueはおちゃめなパン屋さん
安田成美
2013/5/8 653395586


このあと1988年3月にアルバム「ジィンジャー」を大貫妙子さんのプロデュースで発表します。そして1988年9月にそこから4曲を収録したミニアルバム「安田成美 "DIAMIND COLLECTION"」として発表します。このミニアルバムがあくまでもオリコン的にはシングル扱いだったので、こちらにも記載しておきます。

思い出のロックンロール
安田成美
1994/12/21 257124701

1988年09月25日 思い出のロックンロール

ジェーン・バーキンの「想い出のロックン・ローラー」のカバーです。5枚目のシングルの時にボーカルが良くなったと思ったんですが、このアルバムでも全くあのたどたどしくぶっきらぼうな安田成美さんはいません。すごくいいじゃないですか。

Track:1 思い出のロックンロール
作詞:Serge Gainsbuorg
作曲:Serge Gainsbuorg
編曲:大村憲司


本当にここ3年ですっかりいい!なんです。もう少しボーカリスト安田成美さんを聴きたかったと思っちゃうくらい、いや、いいじゃん!って思っちゃうのです。
お父さんお母さんに恋を打ち明けるときってどんな気持ちなんでしょうねぇ。そのときのお父さんの気持ちはどうなんだろう?ってちょっと思っちゃった。

Track:2 パパを愛したように
作詞:かちぶち哲郎
作曲:かちぶち哲郎
編曲:大村憲司

パパを愛したように
安田成美
1994/12/21 257124701


初めての街って、ちょっとした緊張感と、誰も自分のことを知らない街という居心地の良さみたいなのがあって、この曲の主人公も無邪気になっています。大貫妙子さんっぽい楽曲だしどこか笑顔になる。この曲もボーカル素敵ですよ。いやこのアルバムもっと早く知りたかった。

Track:3 初めての街
作詞:麻生圭子
作曲:大貫妙子
編曲:大村憲司

初めての街
安田成美
1994/12/21 257124701


アルバムからこの4曲をチョイスした理由はわかりませんが、アルバムでも最後の曲でありますこの曲は印象が強いですね。大貫妙子さんといいますと個人的にはみんなのうたの「メトロポリタン美術館」が印象的なのですが、この曲もどこかその世界観みたいなのがあって「私」は一体何なのか?ってのが歌詞から見えなくて、多分真相知ったら怖い曲的なYoutubeが作れちゃう。
でも、この楽曲を歌う安田成美さんが、きっとこんな表情で歌ってるんだろうなぁって想像ができたりして、やっぱりネットで言われる印象とはずいぶん違うんだなとも思うのです。こんなに簡便に聞けてもなかなか聞かない。いやぁ、想像以上にいいアルバムでした。

Track:4 星の降る夜
作詞:大貫妙子
作曲:大貫妙子
編曲:小林武史

星の降る夜
安田成美
1994/12/21 257124701



配信
残念ながらSpotifyではアルバム「安田成美」は配信されていますが、シングル楽曲など全曲集となる「安田成美 コレクション」が配信されておりません。「透明なオレンジ」や「サマー・プリンセス」は是非聞いてほしい楽曲なのですが・・・是非配信をお願いしたいところですね。
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